独標 〜雪山道具の使い方〜
1/10西穂高岳独標
前日の風呂上がりに突然決めた。
だって行きたいもん。
4時起き、轟天号が雪けむりをあげ疾走する。
せせらぎ街道はマイナス18度。
いや、マイナス19度までは確認した。
7時過ぎに、新穂高の登山者無料駐車場に到着。
ここで早くも雪山装備の雄【アイゼン&ピッケル】のうちのピッケルの出番がやって来てしまった。
駐車場で轟天号がスタック。
思ったより雪が深かった。
無情に空回るタイヤ。
別に毎回無理にネタを作っている訳ではない。
この日のめざましテレビの占いはいちばんだったはずだ。
目撃者は笑って欲しい。
もしかしたら【厄-めざまし占い=この程度】と考えると、めざまし占いが無かったらどの程度だったか計り知れない。
さすが山道具。氷を物の見事に打ち砕く。
フロアマットなども駆使したが空回りが止まらない。
喉が渇き用意したお茶を飲もうとしたが、淹れたお茶を自宅に忘れる。またか。
何台も通り過ぎる車達。
正に生きた侵入禁止看板と化している。
今期の初ピッケルは、めでたく車の脱出での使用となった。
今後ピッケルの説明書に使用方法として車の脱出の欄が追加されるであろう。
間違ったピッケルの使い方をしてどの位経ったであろう。
もう目標が登山では無く脱出になりかけた頃、背後から作業着を着た天使が2人舞い降りた。
『大丈夫ですか、押しましょうか?』
『うわー、助かります、お願いします!』
2人の天使のおかげでものの2分で脱出。
最大限のお礼を申し上げた。ありがとう。
このお2人が居なかったら、わざわざ新穂高のアリ地獄にハマりに行っただけになるところだった。
因みに必死過ぎて画像はありません。
仕方なく有料駐車場へ。
解放前の駐車場に車の列。
僕のアリ地獄事件を見てこの駐車場を選択した人達。
厄病神降臨でザワつく有料駐車場。
僕は本厄です。
一連のトラブルでロープウェイに若干遅れる。
意外に天気も良くトッキン槍ヶ岳さんも見える。
登山口に到着。
小屋に到着。
西穂くん痩せた。
淡白だろう。
朝の事件以上の事が何も無いからだ。
トレースしっかりありました。
非常に安全に歩けます。以上。
しかし、稜線上は違うのだ。
めちゃめちゃ強風。めちゃめちゃ寒い。
マイケルジャクソンのゼログラヴィティって技が出来る。
鼻とほっぺたが上高地側に飛んでったと思う。
写真どころじゃなかった。
さっさと独標。
ビギナーには限界。
さっさと下山。
いつもは小屋でラーメン頂くがスルー。
ロープウェイ乗り場でカツカリー。
淡白だ。
いやいや、良い事はいっぱいあった。
いつも読んで頂いてる方に申し訳ないので真面目に書きます。
アイゼンが掛かる、効いている感覚や雪を踏む独特の音。きぃーんと澄んだ空気。ちゃんと本来の役目を果たしたピッケル。
独標までの道のりもまた良い。
本来ハードルが高い冬の穂高の稜線や雪の岩場を比較的安全に楽しめてしまう。
晴天も良いが、多少荒れてた方がより厳しい冬の穂高を体験出来る。
あと個人的には、今日のレイヤリングはぴったしハマった。サラリーマンおじさんなのでコスパ重視の装備だがまたちょいちょいご紹介します。お買い物のご参考に。
兎にも角にも、道具は正しく使って下さい。
因みに帰りに栃尾温泉の道端の蛍の湯っていう無料の足湯に初めて浸かったが、お湯が凄く良かった。おっさんの足がすべすべさっぱり。
栃尾温泉良いかもしれない。