昭和のオヤジはこうあれ 〜おじさんは大志を抱く〜
この日はゴルフという名の登山。
つまりは、ボールをわざとOBキワキワの傾斜地に運びながら好スコアを目指し、おまけに登山も楽しむ一日の休みで二度おいしい事をしに来た。
登山ゴルフの聖地
のはずが、ここは県内有数のOBなど先ず出ない、いや出せないコース。
どこまで行っても平ら。
お平らゴルフの聖地に来てしまった。
今日は会社で唯一心許せるメンバー、そして唯一上司として尊敬できる常務とのお平らゴルフ。
お休みだから気遣いごますりストレス一切ゼロカロリー。
このメンバーでのゴルフや飲み会は最高に楽しいし、共通するところは皆んな揃ってギアマニアというところ。
自分もゴルフにハマってた頃に出会った4人。
初めはゴルフクラブの聖地と言われたミズノの養老工場でクラブの全てをオーダーしていた。
良いオトナが狂った…盛ったかの如く年に何セットも作る。
それに飽き足らなくなった昭和おじさんズは『地クラブ』というモノに手を出し始める。
禁断のトビラを開けてしまう。
何が違うのか?
地クラブは、日本のごく小規模なクラブメーカーの事で先ず各パーツ精度が非常に高い。
日本のお家芸、職人の成せる技。
それらを自分の好みや癖などに合わせて組み上げてくれる職人さんがいるのだ。
そんなショップも大変少ないのだが、我々は春日井の『リフレックス』というショップでお世話になっている。
お値段は一般的なクラブの約3倍。
サラリーマン。
必然的に昼飯は抜きか2〜300円という涙ぐましい努力の上に成立つ。
必要なモノは借金してでも…まではいかないがこういうのも昭和のオヤジ達ならではの行為ではないだろうか?
ミリ単位、グラム単位で腕利きの職人さんが組み上げた精密かつ高価なクラブを大雑把なオヤジが日替わりスイングで放つ球は、虹色の尾を引きながらOB杭の遥か外に消えていくロマン、哀愁、無駄。
スコアを金で買えていないオヤジ達。
昭和のオヤジ、世界文化遺産認定。
こういうオヤジ達に『無駄』というワードは『褒められている』という風にしか取られないので注意が必要だ。
重篤患者は『また無駄なもん買ってきて…』で最高の快感を覚えまた繰り返す『散財快感症候群』略して『散快症』
是非保険の適応をお願いしたい。