トコトコ岐阜のダート林道 〜大谷大栃林道〜
ヘドロデイズからひとまず顔を出す。
『決算』という今となっては何も掻き立たないフワッとした号令の元、『働き方改革』もどこ吹く風、『負荷を掛けたら掛けただけ人・物は成長し強くなる』的な進化論を導き唱え始めた我が社。
ダップン寸前の己。
本来の状態に戻す為、久々に愛機『轟天号』と共に殺菌の旅に出ることにした。
しかしこの日も与えられた時間は正午まで…
こちらも負荷ダップンスケジュール。
春を感じる晴天。
幸福を求めハッピーアイランドと言われて久しい板取方面へ。
今日は板取から郡上八幡方面に抜ける事が出来る『大谷大栃林道』へ向かう。
桜の木の枝先はほんのり赤く染まっていたり、杉林からは山火事かと勘違いする程モクモク大量の『悪魔粉』が舞い上がる。
これが春。
まあ良い。休みに集中しよう。
会社の携帯が鳴る。何度も鳴る。
もっと集中するのだ己。
板取川は今日も澄み渡っている。
神崎川と並び守っていかなくてはいけない清流だ。ミナモもキラキラだ。
そして林道入口はココ。
板取事務所の裏からお邪魔する。
暫し舗装道を行く。
この橋の先からダートの始まり。
この林道は荒れた箇所も少なく、ほぼフラットなのでこれからダート挑戦しよかな?って方でもおススメ出来るルート。
もちろんオフィシャル林道。
めちゃくちゃ気持ちいいダート道が20キロ超続くのだ。
少しホラーなトンネル。しかしそこを抜けるとハッピーアイランド。
我愛機はホンダのCRF250ラリーというオフロード車。
奥は高賀山。
飽き性な自分だが、この子は2年経った今でも溺愛中。
ロングも出来るし、道すがらの気になるダートや川原も躊躇なく突入出来る。
そして何よりカッコいい。
どんな事にも真正面からぶつかり、ちょっとやそっとじゃねを上げず、要求に対してガリガリ突き進み、挙句周りをハッピーにしてしまうイモトの様な存在。立ち姿は天海祐希だ。
そんなバディと共に最高のダートをトコトコ進む。
お尻真っ白なシカさん二頭と出会いホッコリしたのも束の間、丁度入口から12キロの中間地点くらいのところで硬い雪。ほぼ氷。
このラリーちゃんが納車された1週間後に、調子こいて付知のとある林道に突入した際、同じ様な状況で引返す際に氷に乗ってすっ転び新車に傷、心にも大きな傷。
崖側にコケてたら15メートルは落ちてたという、不幸中の幸いと言うべきかダブルの深い傷とトレードオフ。
これらの苦い経験値からオトナの漢としては潔く背を向け撤収。
この決断を下すまでの所要時間はコンマ何秒の世界。オトナは迷わない。
若者よ、登山で迷ったなら辞めて正解。
それが漢の判断なのだ。
登山も人生も無理な背伸びは不必要。
次が必ずあるのだよ。
来た道を引返す。
さっさと引返す。
ほーら、綺麗なせせらぎと並走してるよ。
ほらぁ、若者には見えるかな⁈
この澄んだ清流が。この清らかな瀬の音が。
オトナの漢は今日目的が叶わなくても、焦らず心穏やかに今を愉しむ。
参考にして欲しい。
己はこの引返しにより、制限時間いっぱいで午後の仕事に間に合いました。
ありがとう板取の大自然。
ありがとう道を阻んだ雪。