イタドリが原らへんで昇天男 〜ホタテ隠蔽問題〜
ついにこの中年男は天国に昇天してしまったのだろうか?
悪天候と急な仕事で5月を棒に振り、シーズンインを果たせずの男。
前日の晩は、嫁さんと岐阜の街で呑んでいた。
あまりに久しぶりの出来事で動転し気を逸したのか、『明日山行ってええ?』と聞くと『ええよ。てか、何処の山?』
自分『決めとらん。穂高らへん』
嫁『らへんって?素人か?』
自分『おぉ…シロウトャ』
嫁『で何処?』
自分『笠ヶ岳らへん…』
嫁『らへん?…』
って事で4:00に家を出発。
7:15に新穂高に到着。駐車場には5〜6台。
腹痛。トイレに急行。結局7:45笠ヶ岳らへんに向け出発。
薄曇りだが湿度も気温もお高め。朝から半袖Tシャツにベストで大丈夫なほど。
程なく『らへん』で有名『笠新道』の登り口に到着。
…だろうよ。
てか、日帰り野郎が7時過ぎに出発時点で笠ヶ岳らへんも無い。資格ナシ。
鏡平らへんに変更。
そもそもピークも目指して無いハイキング。
自然を感じ綺麗な空気を胸いっぱいに吸ってタラタラ散歩するのだ。そして槍を愛でながら美味しい物を喰らう算段。
しかし人っ子ひとり居ない。正に大自然独り占め。独りになりに来ている自分は、こういうのが最高なのだ。時期を外すに限る。
そして現れるお山様の聖なる白いおゲロ。
これが地味にシンドイ。チェーンスパク持参だが使わず。何故か目標より上に登っているのだ。道迷いの原因である。
そんな事を序盤に2、3繰り返し小池新道の入口のホッとする絶景。
どっちが上だか下だかだが、上高地ならぬ下高地的な、負けず劣らずな場所。
小池新道を歩くと程なく槍穂高の絶景。そして焼岳。
いや〜最高。
何度も言ってしまうが、この素晴らしい環境の中ひとりぼっちというのが何ともたまらない。
友達が居ない事の最高の見返りか⁈
でもって丁度イタドリが原の手前らへんのこのおゲロらへんで、ズボズボなりはじめてタイムアップ。
嫁子の関係で、14時頃には駐車場に帰らないといけない。実は鎖につながれ状態である。
ここでお気づきの方もおられるだろう。
槍・穂高を覆う白い影。
今日の目的は、槍・穂高を眺めながら美味しいものを喰らう。
この楽しみを、最高のタイミングで演出してくる大自然。
『先っぽだけ覆い隠す』という『週刊誌袋とじ戦法』または『武田久美子ホタテ隠蔽状態』という高等テクニック。
透かして見ても横っちょから見ても、先っちょは見えないもどかしい状態の中カレーを喰らう。ビール忘れる。
やがて風も強まり『やはり退散』状態。
目的はある程度達成したしってな事で早々切り上げ引き返す。
きっとフキノトウ?
『まるで空気ではないか?』と見間違えるほど透明な沢の水。
そして『強者共の夢の跡的忘れ物』
早く持主の元に帰って欲しい。
ここでひとコケかまし。
ブナ並木を抜け、最高の散歩となった。
本日の忘れ物リスト。
帽子
アイゼン
ビール
折角昨日準備した水とウインナー