出ず寝ーランド2019 〜キッカケ〜
あけましておめでとうございます。
年末から外にもほぼ出ず、出ず寝ーランドに迷い込んだ本厄男はずーっとPEAKSと山と渓谷、山地図をエロ本を覚えた中学生の如く眺める毎日。
結局年末の理解不能なYahooポイントの魔の手にハマりまくり、おかげで散財完了。
いろいろあるけど、今年はもっとゆったりとした山旅をしたいなぁって思っている。
で、突然去年の年末にこのブログなるものを始めさせて頂いた訳ですが、自分の記録的な部分からスキルアップ、好奇心とか毒吐き等、新しく苦手な分野もやってみようってな思いもありました。
そしてもう一つ、それは去年の夏の山での話。
7月18.19で常念岳にテン泊した時のこと、18日に常念のテン場にさっさとテントを張りそのまま大天井岳までピストン。
その道すがらは本当に素晴らしい天気&景色で最高の縦走路。
丁度東大天井辺りに差し掛かったところで、ご婦人3人組とすれ違い暫しお話させて頂いた。
先頭のご婦人は78歳の大大先輩。お付きのお二人は五十代前後。東京からみえて、中房温泉から燕、大天井と来られたそうで、なかなか軽やかに歩いていらっしゃって僕も関心していた。
素敵なご婦人で理想的な生き様を見た。
ひとり山旅でのこういう出会いは本当に嬉しいし醍醐味だと思う。
あっ、もうお一人常念小屋の方にも向かう途中で足攣りどめの漢方頂いたりで、お世話になりっぱなしだった。まったく感謝感謝です。
そんなこんなで、ご婦人達とは『また常念小屋で会いましょう』と挨拶を交わし僕は大天井に向かった。
大天荘でのビールと食事は最高に美味しい。
またここのテン場も来たいなぁ。
昼寝を1時間ほど挟み来た道を戻る。
昼を過ぎ肌寒くなってきた丁度横通岳の北側付近で、行きに出会ったご婦人3人組が薄っすら見えた。
あら、追いついちゃった。位に思っていたんだが様子か少しおかしい。行きにすれ違った時より明らかに足が重そう。心配になり早足で追いつき話しかけた。
『大丈夫ですか?』
『あっさっきの方ね。早いわね〜、私は大丈夫よ』
でも見ると手持ちの飲み物が殆ど無い。
心配になり、丁度大天荘で頂いた水をお分けした。
そうすると彼方から猛スピードで走って来る青年。正にカモシカの如く。
どうやら常念小屋の方で高所トレーニングをしていたところ、このやり取りに気付いてくれたそうだ。なんて嗅覚の鋭いスーパーマンなんだろう!自分達は本当にこんな方々のいらっしゃる山にお邪魔させて頂き、安全に山歩き出来てるのを実感した。
この方のおかげでご婦人達は安全に小屋まで歩いて来られた。
僕はテン場に先に戻り、またまたビールを頂いたりブラブラ散歩を楽しみ自分のテントに戻るとあのご婦人が居るではないか。
『あれ?お母さん大丈夫ですか?』
『あーあなた見つかって良かったわ。つまらないものだけどお礼にと思って』
『えーわざわざそんな。大事な食料ですよね?気持ちだけでいいですし、大したこともしてないので僕の方が恐縮です〜』
『記念写真撮ってくれない?』
『えっ僕なんかとですか?』
なんてやり取りの後、
『また僕も北アルプス近辺うろうろしてますんで、何処で会えたらいいですね!』
とお互い言いながら小屋の入口前で写真を撮りお別れした。
残念ながら次の日は、早朝下山しなければならなかった為ご婦人に挨拶も出来なかった。
この他にもこの日は色んな方々とお話出来る機会がありとても充実の旅であった。
で、ブログを始めようと思ったキッカケだが、またお会い出来たらいいなぁ…とも思うのもあるが、もしあの時の方々がたまたまこのブログを見つけて頂けたら…ってのもロマンかな…なんて思ったのもひとつです。
本当に山旅は素敵だ!
あっ、因みにこの出来事から三カ月後の10月末に燕に登り、燕山荘でお昼を頂いてたら正にその時のカモシカ青年(常念小屋の青年)にばったり出会い、その時の事をお話出来ました!本当に面白い。これがあるから山はやめられない。
厄を追い払え 〜行く厄来る厄〜
28日に仕事納めでその晩に忘年会。
なかなか高級な焼肉を頂いたまでは良かった。
家に帰ると具合が悪い。
明日は早朝から家族で八ヶ岳に行くぞーなんて息巻いていた。
夜中になり、壊れた蛇口のように上から下から。水のトラブルクラシアンのCMみたいに暴れる蛇口。
無事厄を迎え入れました。
その晩は一睡も出来ず。
普段平日休みな為家族で…という事がほとんどないのでとりあえず八ヶ岳は強行。
自分はほぼ一歩もクルマから出られず悶絶。
カモシカスポーツだけは寄りました…
結局嫁と娘っ子と行動する事なく家路に着いた。
『また来いよ。小僧』
と言われたような気がするぅ。
とりあえずややこしい事になるので、僕のお腹で渦巻く厄を追い払い、来年の本厄を迎え入れよう。
皆さま良いお年を!
続〜メリークリスマスな夜 〜聖なる夜の逆流星群〜
結果からご報告しよう。
完璧に仕事を終えた。鍛錬の賜物だと先ずは自らを褒めたい。
一時はこたつの中で…
この辺りまで達していたが、気力で持ちこたえいざ決行。
気づかれる事無く御供えする事に見事成功。
当たり前だろう。こんな事を何年続けてると思ってるのか。ワッハッハッハッハ…笑いが止まらない。
ん…なんだこれは…
サンタさんへの労いの品々。
何て優しい娘に育ったんだ。父親にはこんな事しないじゃないか。
しかしである…
真夜中の常温の炭酸。ボーロ。
発泡にまた発泡を加速させるこの組み合わせ。
そして私の持病『頼んでも無いのに胃酸が遡上する病』逆流性食道炎。今日の別名『逆流星群』には非常にシンドイチョイス。
気持ちには応えたい。
『サンタさん用意したコーラ飲んでくれなかった…』
『サンタさんはね、いろんな家で用意されてるからお腹たぷたぷなんだよ。ソリに乗れなくなっちゃうからだよ』
こんなやりとりを考えると、やはりその場で消費するのがサンタおじさんの在るべき姿ではなかろうか。
どのくらい時間を掛けたのであろう。
全然喉を通っていかない常温の炭酸。
徐々に広がる胸焼け。
膨張するボーロ。
まさかの聖なる夜の逆流星群。
攻防の末…
その後横になると遡上してくる両者。
結果ほぼ寝れなかった。
しかし朝サンタさんからのプレゼントに歓喜する娘っ子に一安心。
そして空のペットボトルを見つけた娘っ子のDNAを感じさせる一言。
『ゴミくらいは持ち帰って欲しいよね』
サンタさんへも『ツンとデレ』を巧みに使い分けるのであった。
メリークリスマスな夜
うちには娘っ子がひとりいる。
自分で言うのも何だがそれはもう可愛い。
だがもう既に母親のDNAを色濃く受け継ぎ、ツンとデレの使い分けを完全に会得している。
そんな娘っ子に今晩ひと仕事が待っている。
日本中のお父さん達も、今日は完全完璧に決めないといけない日。
僕は、普段から[コソコソ修行]を負荷を掛けながらクリアしてきているので、いちばんあってはならない[見つかりバレる]なんて体たらくはまずない筈だ。
しかしひとつ心配がある。
彼女は小学生のクセに寝るのが遅い。
昨日も0時頃に寝たそうだ。
因みに自分は11時。ジジイはもう眠いのだ。
しかも今朝宣言されている。
『サンタの正体暴く』と。
気合いは特捜部並み。いやモチベーションが異常に高い。
聖なる夜に清い心で挑もうとしていたのに、もうコソ泥か犯罪者に近い心境で挑まなければいけない。
食うか食われるか。
今年の修行の総決算・総仕上げ。
いざ決行。
悪天最強マテリアル 〜透湿防水的社会構造〜
ウチの嫁の職場の話である。
ある大手企業のひとつのサービスの疑問・質問・苦情・炎上・・・を一手に引き受けているテレフォンオペレーター的な、まるで普段の生活では想像つかない労働を進んでしている。
派遣だが流石は大手の傘の元、旦那の中小企業的体質と違い、圧倒的な耐風性と防水性に守られている。正に最強ゴアテックスプロみたいなもんなのである。
その点旦那は、麻布程度の通気性抜群、羽織ってもちっとも保温しないがとにかくしぶとい(丈夫)という事だけが取り得の何とか自立している麻製ビバークツェルト。
ともあれオペレーターという仕事も大変だ。
日々イライラ殺気立った人からの電話が絶えないそうだ。
殆どの方は、丁寧に説明し話の出口が見えてこればもう怒る理由も無いのでその場で済んでしまう。
こういった事もきっと、対応オペレーターの対応力や経験値に因る所も大きいのだと思う。
そしてこの構造の優れたところは、お客様との直接の窓口でありながら傘下の請負オペレーターという所がミソなのである。
責任はあるが実はその部署では責任を負わない。
この構造で、見事にオペレーター達の湿ったネガな気持ちを見事に処理・透湿出来ているのである。
暴風雨でも身体の芯には影響を及ぼさない、へこたれないマテリアル。
あくまで身体を覆う生地で処理しようという優れた構造。
恐るべし現代が生んだ技術、優れた透湿防水機能。
私も低体温に悩む前に是非ともあやかりたい一着だが、ドMなのでもう少し暴風雨に打たれジメジメの環境下で己の人体実験をしてみよう。
シメのワサビ平鍋 〜ラッセルビギナーの進級試験〜
仕事を終え意気揚々新穂高に現れたおっさん独り。この日はワサビ平から鏡平を目指すゴールデンコースの『お平巡り』に来たのだ。
しかしこのおっさんは既に幾つかのミスを犯している。
ある事だけに気を取られ過ぎたあげくの単細胞。
まず、1時間寝坊。
いや、目覚まし時計通りに起きたのだが目覚ましの時間設定自体を間違えるという行い。
カンジキ忘れる。
新雪を楽しみに来たのは間違いない。
しかしラッセルを楽しみに来るほどのドがつくMでも無ければスタミナも無い。
会社に一つ仕事を忘れる。
コレはもうこの時点で諦めるしか無い。
その上、ここがあの新穂高の駐車場か?ってくらい閑散としている。自分の車も合わせ二台。
事実上プチ満身創痍の出発式。
気温はマイナス2℃ほど。
心は低体温症寸前。
そしてこの子の安定感。
この子は本場アルプス生まれ。日本アルプス程度は常夏に近いのである。
この子との付き合いも長いので、大体盛った報告をしてくれる。気持ちを温めてくれる機能を併せ持つある意味AIの先を行く名機。
ほっこりアイテム。
そしてゴールデンルート指定されているにもかかわらず、ノートレース。
こんなラッキーもない。
トレースを期待していた自分を戒めなければいけない。
足跡は自分の歩いた後にできるものだ。
久しぶりの雪を踏む感触も素晴らしい。
気持ち良く歩ける。
忌野清志郎も気持ちいいと言っている。
雪はくるぶしくらい。
もう少し欲しい自分は欲しがりおじさん。
なにせ雪を楽しみ今年をアレでシメたいのだ。
ワサビ平までの道のりがこんなに気持ち良いのは冬ならではなのかもしれない。
とにかく林道感も無く雪の山あいが風情があって気持ちいい。
徐々に雪深くなってくる。
スネラッセルほど。
あのスネ毛を揺らすそよ風くらいの感じだ。
そしてこのザマだ。
石の前にひれ伏すこのおっさんは、この頃にはひざ丈くらいになった慣れないラッセルを強いられた上、数々の失態、いやそもそもトレースは付いているものだとの思い込み等々…思わず『ワサビ平』と書かれただけの石を小屋だと勘違いする程消耗していた。
そして持病であるあの【胃酸が頼んでも無いのに遡上してくる病】逆流性食道炎、略して逆食が暴れ始める。
業界ではその病もしくはその病を患った人間を総じて【逆食】と呼ぶ。
『あー、逆食の調子は?』とか『〇〇さん逆食だから仕方ないですよ~』とか哀れな扱いを若いナースから受けることが多々ある。
逆食になって得をしたひとつのエピソードである。
この時頭のなかにはいつものように曲が流れていたのだが、ずーっとクイーンのsomebody to loveの『somebody』の部分だけ永遠リピートだったのが気づくと、『ラッセーラァ〜ラッセーラァ』の永久リピートになっており、この直前にはただ『ラッセッ、ラッセッ、ラッ、アッ…』っとR指定目前の悶絶を持って絶頂に至っていた。
暫しこの体勢でワサビ平岩との会話を楽しんだ後、息を吹き返しもはや振り上げたバットの先はスコアボード(鏡平)ではなくセカンドゴロ(ワサビ平)狙いになっていた。
どうせ良いのである。鏡平に行けたところでこの天候何の展望もない筈である。槍のやの字もない筈だ。
ビギナーには言っておきたい。登山は帰って来て初めてコンプリート。バットを持たずしてヒットは生まれない。デッドボールは死なのだ。
このおっさんは家を発つ時点で、山に『行ってはいけないおじさん』なのである。
そしてビギナーに行ける筈も無い笠新道の入り口を分かったかのような振舞いで眺め、人っ子ひとり居ない雪深い林道を『ラッセ…ッセ』ともうラッセーラにもならないリズムを取りながら遂に本日の目標の地『ワサビ平』に到着。
どうだ。誰も居ない小屋を征服だ。雪なんか小屋付近から急に股下ラッセーラァに、なたよ。
もう諦める理由を探さなくても大丈夫なほどネタは揃った。
清々しい。もう迷う事など一つも無い。
ここで目的を実行だ。
その目的こそ色んなものをミスへと変えた張本人。
ひとりモツ鍋セット(ちゃんぽん麺付き)
略して『ピンモツベーナー』
本場博多で多用される言葉である。
一等地も確保。
ポジティブに受け止めれば独り占め。
ネガティブに見ると真冬の大雨のフェスで、いちばん遠い端っこのヌタヌタ足場でかき氷ブースを出店してしまったおっちょこちょい。
でも今の彼は至ってポジティブ。
目の前には夢しか無い。
ただ、雪中ピンモツベーナーがしたかった。
このモツベーナーは逸品で、食材の全てが入り尚且つシメの麺までインクルード。もちろん極上のお味。
そしてシメの麺投入。
この時完全にこの状況に陶酔し、全ての出来事、主にハプニングに対して『ありがとう』という思いで満たされる。
ハプニングというスパイスでピンモツベーナーはすばらしい進化を遂げた。
ここでお気づきの方もいらっしゃるかもしれない。
ビギナーには分かりづらいかもしれないが、この状況で本当の意味でシメてくれるアレが無いのを。
もうひとつ家に忘れ物をしている。
そう、コーヒー。
テーブルの上を見てみよう。
画像でいくとちょうど北西の方角にコーヒーを飲む前提でマグカップなるものが伏せてある。
この人物は、もうこの時点で気付いていたのだ。このマグを使わない事を。
お口の中がモツであふれている。
こんな時にも雪中はありがたい。無尽蔵に有る雪をハムスターの如く己の頬袋に叩き込めば良いのだ。
こうして間近に有る自然を利用、満喫出来てこそ真のアルピニスト。
こうして、寒中で少し仮眠を取った後、鏡平に背を向け冷え切った身体と数々の戒めを胸に『下平ら』する。
この日は【ワン平】しかクリアできず、今後のラスボス【雪中雲の平】など到底不可能である。
夢は諦めず取っておこう。
冬が始まるよ
周りのお高いめのお山さん達が練乳かかったみたいになって来たので、甘党おじさんはそれらの様子見に逆宇治抹茶状態の能郷白山に向かうのである。
途中練乳どころかギラギラサイバーな山。
そして目的の能郷さん。
駐車場には何者かのうんこだけ。
熊かな…熊のやつですか?
さっそく『ぼうやは早くお家に帰ろうね〜』って。
『うわー、このお宅すごい立派ねー。お城みたーい』
『ホントだねー。アレ?そこになんか落ちてね?えっ、なんだコレ。………ワラ人形じゃね?』
『マジ?なんか書いてあるじゃん…』
『……ココから先に入ったら後悔するお……』
さすがに熊さんワラ人形作れないから、うんこで見立てたに違いない。
はいっ、僕はウサギさんのやつだと思います。と言い聞かせて熊鈴付けて出発。
とはいえ今日は様子見。
気温は2℃。人の気配ゼロ。気持ち-25℃。
そこからは、山奥の不審者。
キョドリ感ハンパない。
もしやコレも嫁の仕掛けた盗撮ドッキリユーチューブか。
どんぐり落ちる音でガクプル。
見るもの感じるもの全て熊関連。
今日の主な目的は、カメラの動作確認とこの前手に入れた〔マウンテンハードウェアのドライステインジャケット〕の筆下ろし。
兎にも角にも、雪が積もったらまた発射です。