四人も要らないロンリープレイ 〜休日を諦めろ〜
『焚き火ツーリング』はやはり中止。
穏やかに晴れているのだが…
まあ、『災い四天王』が揃ってしまったらきっと雪くらいは降ってくるだろうし、何なら帰れない程積もったりで『低山遭難』くらいは覚悟が必要だろう。
中止は賢明な判断。
そう言い聞かせ今日はロンリープレイ三本勝負に徹する事にした。
1 バイクのタイヤ交換
2 自宅で焚き火
3 庭テント泊
午前中の部は、愛車CRF250ラリーちゃんの靴をおニューにするの巻。
購入後5000キロを走破し、後輪はほぼヤマがなくなってきた。
ラリーちゃんも新品のお靴に替えてあげたらさぞ喜ぶことだろう。嬉しくてウレションを撒き散らして庭駆け回ってしまうだろう。
新しい君のお靴はコレだ。
イターリアから来たオサレ冒険家。
『オレのアプローチは自宅からさ!アスファルトだって荒れたハイキングコースだってオレひとりで充分さ。どんなにタフなコースだってへこたれないイタリア産まれならではの体力と繊細さ、最高の履き心地を約束するぜ』
それがピレリMT21ラリークロス。
実はラリーちゃんが納車された直後に廃番になってしまうのではないか?という心配フライングから前もって購入〜2年間放置していた代物で、久しぶりに触ってみたのだが『こんなに硬かったか?』とオンロードタイヤ張りにカチカチ。
果たして初挑戦野郎に出来るのだろうか?
『災』という文字がチラつく。
先ずはフロントタイヤ。
こんなブットイ六角レンチはじめて見たってくらいウソの様なスケール感の14ミリレンチ。
そしてサルも知恵を絞れば工夫するもので、トルクがかけずらい時のコレ。
メガネレンチで延長。
猿人から少し進化できた様だ。
タイヤを車体から外し→ビートを押したり踏んだりで落とし→タイヤレバーでコネコネしてホイールから外し→チューブ抜き→もう片方のビートもレバーで外しパッカーン。
前輪は比較的簡単で、レバーでキッカケを作ってしまえば素手でもホイールから外せてしまう。
戻す時も基本は同じ順序を辿るだけ。
僕の様なスカスカ脳の持ち主は、外した順番や部品の向きを忘れかねないので基本外した部品をどこかに保管せず『仮組み状態』にしておく。
これなら途中でウ◯コがしたくなっても忘れて間違える事もないだろう。
前輪完成!
続いて後輪。
基本アクスルシャフトを外すだけ。
19ミリと24ミリのメガネレンチで締める。
ブレーキキャリパーが落ちてくるので注意が必要。チェーンは上下どちらかを落としタイヤを回せば外れる。チョー簡単。
リアはやはりちょい硬めでフミフミしてビートを落としてあとの手順は前輪と同じ。
しかし、硬い。
外すのはまだ良いが、ニュータイヤがなかなかリムに収まらず30分近い格闘の末やっと組み上がる。
しかし、空気を入れると入れた分確実に抜ける音。
スカスカがやらかしたスカスカ。
ビギナーが必ずやらかすヤツ。レバーでチューブを挟んじゃって穴開けるヤツ。
はい、予定が狂いました。
昼イチでバイクパーツ屋決定。
大人なのに、予習→復習。
多分次の交換もやらかすでしょう。
予定をだいぶ押して完成。
2 自宅で焚き火
焚き火しながら昼飯食べるつもりだったので夜に回し、3 庭テント泊の準備をし昼寝をする事にする。
風は強めだが天気はいい。
暫し家で準備をし、グランドシートにペグを打つと背中に何らや冷たいモノが。
雨じゃない?
もー雨じゃない⁈
ウソでしょうよ。
あー雨じゃない。
西の空、突然ウソみたいに真っ黒いじゃない。
中止。
娘の塾迎えに行くじゃない。
雪じゃない?
もー雪じゃない⁈
焚き火すら出来ないじゃない。
夕食を家の中で終えたこの男、どうしても焚き火を諦める事が出来ず、ひとりガレージへ。
真っ暗闇の中、焚き火台に炭をくべる男。
一向に火がつかないじゃない。
燃料使っても炭に火つかないじゃない。
この炭、しけてるじゃない?
あれ、本当にしけてるじゃない⁈
てか、湿ってるじゃ…ない…
※こうなるはずのイメージ
そーら見た事か! 〜プラスにならない足し算〜
引き続きのヘドロドロドロロペスな日々。
白目をむいて瞑想の様に妄想の旅。
もしかしたらアノ空也様の如く何かを唱え、お口から『ピロピロピロ〜』と何かしら出てしまっているかもしれない。
空也様、なんとも言えないお顔をしていらっしゃる。
そのくらいの境地に達した時、ある人物から一本のメールが届く。
『焚き火しに行くぞ』
焚き火ツーリングのお誘い。
その方は、人生の先輩。
家庭において『誰にも相手にされなくなった』という異色の理由でアウトドアマンに転身し、今ではメスティンで米を炊かせたらこの濃尾平野で五本の指に入るのではないか⁈という人物Y氏。
将来の自分にとって『人柱』『標本』になるかもしれない。
決算・本厄ドロドロロペスな日々を送る身からして、もちろん断る理由もない。
他のメンバーもこれまたハード。
最近離婚という人生の大キレットから這い上がったと思ったら事のほかサッパリ、人生の後半戦を地響きを立ててガリガリ遊び始めた『人生オフローダー』50代も半ばのN氏。
そしてもうひとり。
その昔道無き道をオフ車でブイブイ駆け回り、何処ともわからない場所で野宿、CWニコル張りに焚き火を楽しみ、終いには自宅まで灰にしてしまったシャレにならない経歴の持ち主だがそこからの人生V字回復を魅せる、隠れ金持ちの40代後半T氏。
この混じってしまう事が躊躇われる程の偉大な先輩達。誰も居ない山奥での焚き火ツーリングキャンプで何かニュース事にならないか?という大きな不安。
いや、もう何か起こらない事が不安なくらいだ。
流石はこの災い四天王。去年の漢字『災』の文字も小刻みに震わすほど。
そして案の定。
そーら見た事か。
こんな穏やかで暖かい日が続いたにも関わらず予報は『3月の雪』
もう既に焚き火の炎も鎮火。
神のお告げ。
マイナスはいくら足してもプラスにはならない。
トコトコ岐阜のダート林道 〜大谷大栃林道〜
ヘドロデイズからひとまず顔を出す。
『決算』という今となっては何も掻き立たないフワッとした号令の元、『働き方改革』もどこ吹く風、『負荷を掛けたら掛けただけ人・物は成長し強くなる』的な進化論を導き唱え始めた我が社。
ダップン寸前の己。
本来の状態に戻す為、久々に愛機『轟天号』と共に殺菌の旅に出ることにした。
しかしこの日も与えられた時間は正午まで…
こちらも負荷ダップンスケジュール。
春を感じる晴天。
幸福を求めハッピーアイランドと言われて久しい板取方面へ。
今日は板取から郡上八幡方面に抜ける事が出来る『大谷大栃林道』へ向かう。
桜の木の枝先はほんのり赤く染まっていたり、杉林からは山火事かと勘違いする程モクモク大量の『悪魔粉』が舞い上がる。
これが春。
まあ良い。休みに集中しよう。
会社の携帯が鳴る。何度も鳴る。
もっと集中するのだ己。
板取川は今日も澄み渡っている。
神崎川と並び守っていかなくてはいけない清流だ。ミナモもキラキラだ。
そして林道入口はココ。
板取事務所の裏からお邪魔する。
暫し舗装道を行く。
この橋の先からダートの始まり。
この林道は荒れた箇所も少なく、ほぼフラットなのでこれからダート挑戦しよかな?って方でもおススメ出来るルート。
もちろんオフィシャル林道。
めちゃくちゃ気持ちいいダート道が20キロ超続くのだ。
少しホラーなトンネル。しかしそこを抜けるとハッピーアイランド。
我愛機はホンダのCRF250ラリーというオフロード車。
奥は高賀山。
飽き性な自分だが、この子は2年経った今でも溺愛中。
ロングも出来るし、道すがらの気になるダートや川原も躊躇なく突入出来る。
そして何よりカッコいい。
どんな事にも真正面からぶつかり、ちょっとやそっとじゃねを上げず、要求に対してガリガリ突き進み、挙句周りをハッピーにしてしまうイモトの様な存在。立ち姿は天海祐希だ。
そんなバディと共に最高のダートをトコトコ進む。
お尻真っ白なシカさん二頭と出会いホッコリしたのも束の間、丁度入口から12キロの中間地点くらいのところで硬い雪。ほぼ氷。
このラリーちゃんが納車された1週間後に、調子こいて付知のとある林道に突入した際、同じ様な状況で引返す際に氷に乗ってすっ転び新車に傷、心にも大きな傷。
崖側にコケてたら15メートルは落ちてたという、不幸中の幸いと言うべきかダブルの深い傷とトレードオフ。
これらの苦い経験値からオトナの漢としては潔く背を向け撤収。
この決断を下すまでの所要時間はコンマ何秒の世界。オトナは迷わない。
若者よ、登山で迷ったなら辞めて正解。
それが漢の判断なのだ。
登山も人生も無理な背伸びは不必要。
次が必ずあるのだよ。
来た道を引返す。
さっさと引返す。
ほーら、綺麗なせせらぎと並走してるよ。
ほらぁ、若者には見えるかな⁈
この澄んだ清流が。この清らかな瀬の音が。
オトナの漢は今日目的が叶わなくても、焦らず心穏やかに今を愉しむ。
参考にして欲しい。
己はこの引返しにより、制限時間いっぱいで午後の仕事に間に合いました。
ありがとう板取の大自然。
ありがとう道を阻んだ雪。
金華山〜真の男とは?オトナとは? 〜オトナおじさん登山部〜
オトナの男の登山とは…
男を惑わす魅惑のPEAK…がキーワード。
歴史輝く金華の峰の日々に新たな自然の恵み。
知る人ぞ知る名曲。
トレーニングを兼ねてライトなテン泊装備を背負い鷹巣山から金華山を撫でるルート。
決して岩岩を登る訳ではない。
先ずは九十九折の林道を歩き最初のクロスロードを日野に突き抜ける。
ここが最初のポイントだ。
北に直登すれば直ぐに鷹巣山の頂上なのだが、オトナの男はそうはしない。
ここは味わい深い岩戸トンネル出口・達目洞側の東尾根を目指すのだ。
オトナである。
シダックス日野店をすり抜ける。
当日は気温3度〜5度くらいだろうか。
日陰は寒いが1時間程で大仁田厚くらいビチャビチャ。
モニュメントとなってしまったオフ車の屍。
ひと気もほぼ無いこのルートは静かに山を楽しめる素敵な場所だ。
素晴らしい晴天の中、鷹巣山のPEAKを焦らず目指すオトナの男。
そしてあれが男を惑わすPEAK。
若僧、見ておけ!オトナおじさん登山部の流儀を。
妙見峠へと降り立ち、地図で言う大参道から鼻高、めい想の小径へと下りそこから百曲りを登り返し七曲り〜唐釜を経て岩戸公園に下るルート。
これがオトナの男を体現する全ルートだ。
若僧には辛抱ならないだろう。
この大参道から鼻高コースも本当に整備も行き届き、味わい深い良いコース。
金華山のメジャールートでは無いが、是非お勧めしたい。
達目から大釜ルートも非常に良いルート。併せてお勧めしたいし、また違った金華山を味わえる。
そして若僧なら鼻高から岐阜城に行ってしまうのだろう。中にはロープウェイでいきなり⁈みたいな。あぁ…青い青い。まあそうして人は成長するのだろう。
オトナの男はめい想の小径を下る。
このめい想の小径もまた北尾根、つまり長良川側になる為景色が良い。
今日は御嶽山も見え、金華山の永遠のライバル百々ヶ峰、奥には能郷白山や伊吹山等最高の展望ルートだ。
めい想の小径は、金華山の登山ルートの中でもまあまあ距離があるのでその名の通りあらゆるめい想や迷走が出来、その迷走を助長させる見事なギミックが隠されたルートなのだ。
自分は今日はここで今いちばんのお気に入り女優、吉岡里帆について想いを巡らせる。
彼女はまっすぐだと思う。うんうん。
おじさん的にはグラビアは良いが親心なのか、それをしなくても充分良い仕事が他で出来ていると思う。悪いおじさん達の画策に翻弄されない事を願う…何て考えてるうちにとんちの効いた看板が迎えてくれる。
めい想の小径だから、己にふけり向き合おうと思っている人間にとってこれらは邪魔ではなかろうか?
いや、これに翻弄されたら負け、そんなめい想はめい想では無いと言いたいのだろうか?
これをきっかけにしろ!とでも言いたいのだろうか?
あぁ…吉岡里帆。
さっきすれ違った全身ピンクの千葉真一。
オールバックにサングラスが素敵だった井上陽水。
笛を巧みに扱い小鳥をおびき寄せ、若いお姉ちゃんを手玉に取るいぶし銀おじさん。
めい想の小径に現れた濃いめの方々。
親鸞様。あなたはいったい何と言っているのですか?小生にはちっともわかりません。
名前の読み方もわからないあなた様は、もはや皆んなが薄々気づいている当たり前の事をただ堂々と言ってしまっただけでは無いのでしょうか?
めい想が迷走して一周回って路は開けるのだろうか?
これこそがめい想の小径と言われる所以なのだろうか…わからない。
この階段の下から3段目は濡れていると必ずコケる。どんな靴でも必ずコケるので気をつけてください。
板垣たゃーすけ。
岐阜公園の名所を抜け百曲りを登り返す。
このルートは岐阜城直下のロープウェイ乗り場とリス村の間に出る。
若僧なら自らの達成感を得たい!そういう思いのみで岐阜城を一心不乱に駆け上がって行くところだろう。
このオトナの男は、ここまで来ておいて下る。
どんどん下る。
男、特に若僧は必ずと言っていいほど先っちょPEAKに気を取られ大切なことを忘れがちだ。
もっと大切なことがそこにはあるのだよ。
私が初めて本格的に登山をしたのは、白出沢からの奥穂高、日帰り登山だった。
そこは北に涸沢岳、南に奥穂高の穂高連峰が誇るダブルピーク。その谷間を這い上るルート。
もちろんビギナーには限界で、どっちのPEAKも取れずに谷間の小屋(穂高岳山荘)で悶え力尽き、下山を余儀なくされた苦い思い出がある。
それから一年、地道な鍛錬、努力を経てリベンジの果てに奥穂高のPEAKを頂いた。
そう、どのPEAKも『いきなり』は好ましいものでは無い。
己の努力と成長と共に、徐々にPEAKを詰めていこうでは無いか!
オトナの男として伝えたい。
そう言いながら、結局山も人生もアノPEAKも詰められないおじさんも如何なものか…と。
血と涙と枯れ大豆 ~飛び交う散弾~
我が家の黒ずんだ玄関に無数の枯れた大豆。
これは枯れた大豆の様な形をした一人の男の『枯れ果てた涙の結晶』かも知れない。
時は2/3の20時過ぎ。
底なし沼の様な職場から脱出に成功した男。
その男は心身ともに疲弊しきって、安息の地である己の家つまり『自宅』を目指し真っ直ぐに帰る『真面目』『実直』『おっちょこちょい』という言葉がぴったりの41歳を終えようとしている人物。
そんな男な為か、帰り道は何の身にもならないひとり一日反省会をしていた。
『あぁー、なんであのタイミングに重なっちゃったのか…もっと良い伝え方あったんじゃない?そう言えば昼のクリームパンとピザまん、ラー油唐揚げは組み合わせとしてどーなの?普通ピザまんとラー油唐揚げの間にクリームパン食べる?その上飲み物リアルゴールドって・・・』
不毛な自問自答を繰り返す。
外は寒い雨。
いつもと同じように車を停め、門戸を閉め玄関で足を止める。
いつもと同じ真っ暗な玄関。鍵を鞄の底から取り出し錠を捻る。
雨の音にかき消されるその『カチャッ』という音。
ドアを開けた瞬間、目の前の闇から閃光と共に鳴り響く散弾銃にも似た壁に当たる複数の破裂音。
あわててドアを閉め瞬間的に『節分』というイベントはかろうじて浮かんだ。
しかしである。
雰囲気が明らかに『殺』であることを直感的に感じる。
壁を貫く音が明らかに『殺』なのと同時に無言・無音。
節分に必ず有るあのかけ声ひとつ無い。
野生動物がこちらに向かってくる時に感じるアレ。
普通の家庭の節分はこうではないのか?
『お父さん帰ってきたらさぁ、鬼は~外って言ってさぁ、びっくりさせようよ』
『えー、そんなことでお父さんびっくりしないでしょ?』
『お父さんもしかしたら赤鬼の格好とかで帰ってきたりして~』
『そんなことするかな?』
『そうだよね~はっはっは~』
きっとこんな感じなんだろう。
去年の記憶するところではこうだったはずだ。
まさか一年にして・・・
間合いを取りもう一度ドアを開ける。
まだ10cm程だろうか、そんなに開いてないドアに向かって炸裂する散弾。
確信に変わる『殺』
あるはずの笑い声、会話、全てゼロ。
あの健康の象徴、たんぱく質のデパート大豆。日本人が愛してやまない大豆。
2019年2月3日岐阜。
そんな大豆が『殺』の道具になった日。
そして、国際法や条約でもきっと禁止されているであろう行為、暗闇からの無言の攻撃行為。
我が家の女性たちはその重い扉を開けてしまったようだ。
外は寒い雨。こんな所に長時間いるわけにもいかない。
もう全身に銃弾を浴びるほか道はない。
冒頭の画像はその惨事に巻き込まれ散っていった男の血と涙の残骸。
自宅玄関に崩れ落ちる瞬間に彼の目に映ったものは、娘の肩越しの暗い部屋の奥で光る一人の女のメガネの縁と、微かに上がる口角。
そして崩れ落ちた己の膝に突き刺さる枯れた大豆。
その後夜の闇に響き渡った言葉。
『ママは〜内、チチは〜外』
フォレストヒルズ霊仙山 〜ヒル神の居ぬ間に〜
苦手なものがある。
満員電車。
電車ってだけで不自由感だが、満員が付くと大変だ。自分はデカくて代謝が良いので申し訳ないのでほぼ移動で電車は選ばない。
調子の良い人
何度も痛い目に遭っている。だいたい痛い目に遭って暫くしてから気づくパターンだ。
得体の知れない生物
虫関係全般にダメだがその昔、アパートのドアノブをナナフシに占拠された時はショックだった。大学の図書館に戻りヤツの生態を図鑑で調べたらまたショックが増幅。ヤツは敵にやられそうになると自ら脚を切り離す。ヤツらはきっと賢い訳では無いはずで、じゃあ脚6本全て切り離してしまったらヤツらは…おゾイ話だ。
そしてヒル。
子供の頃沢で遊んでいた時のこと、足に何やら黒光りする海苔みたいなのを掴むと血。それ以来トラウマだ。
滋賀と三重にかけて南北に連なる山々はヤマビルの一大産地。
気をつけなければいけないのは、体力でも道迷いでも無い『ヤマビル吸血による傷心』
しかしヤツらはニュルニュルの水分過多の生き物。冬場は水と同じで凍ってしまうに違いない。
僕にとっては冬場にしか行けない山の一つ『霊仙山』にお邪魔する。
この日は小雨。
もちろん登山者ゼロ。下りてもゼロ。もちろん車もゼロ。ゼロの付くお得な日。独り占め。
大人だし登山届もちゃんと提出し、この時期に必ずある『ヌタヌタソークーロード』をそろりそろりと進み廃村を抜け程なく小屋に到着。
在りし日の山小屋かなやを全く知らないが、看板を見るとルービーはなんと350円だったりと是非復活して欲しいスポット。
テント場らしきものもあるが、鬼の様にクマ注意看板が乱立しヒルがひしめき合うここでテント泊はホラーと等しい。
やって来たクマに一体何匹ヤマビルがくっ付いて来ているか気になって、クマの存在自体埋没してしまうのでは無いか。
ヌタヌタソークーロードをひた進むと、縦横無尽に無数の獣の足跡。
見た感じ3種類程。
こんなやつや
こんなやつや
こんなやつか?
そしてこれは、
こいつか。
霊仙山というだけあって、だいぶ醸し出してきた。
こいつは多分人。
分からないのでスルー。
で、展望もゼロ。
からの全くゼロ。
ほぼ影。
雪15%雨85%。ほぼ水分。
最後の写真に至っては撮れ高で言うところのゼロ。
ピーク付近と思われるところをウロつくが足跡ゼロ。
意外とデカイ雪庇もあるので気をつけてね。
灰色の墓場の様な場所を見つけ、カマを研ぎ始める死神。
はい、今日もこのパターンで全てを諦めメインのアレに取り掛かる。
新製品の『カップヌードル スパイスチキンカレー』
寒いところでヌルいさ湯をかけ、薄い期待を大きく裏切る美味さ。
今日あった全ての事をひっくり返す味。
登山のお供に是非持って行ってもらいたい。
15分で作り2分で食い終わり、さっさと下山。
ゲリを起こした登山道を下り、雨100%になったところでクルマに到着。
またピークを取らない『ノンピークハンター』
この霊仙山は夏に行くと
こんな感じで
こんな感じ。
昭和のオヤジはこうあれ 〜おじさんは大志を抱く〜
この日はゴルフという名の登山。
つまりは、ボールをわざとOBキワキワの傾斜地に運びながら好スコアを目指し、おまけに登山も楽しむ一日の休みで二度おいしい事をしに来た。
登山ゴルフの聖地
のはずが、ここは県内有数のOBなど先ず出ない、いや出せないコース。
どこまで行っても平ら。
お平らゴルフの聖地に来てしまった。
今日は会社で唯一心許せるメンバー、そして唯一上司として尊敬できる常務とのお平らゴルフ。
お休みだから気遣いごますりストレス一切ゼロカロリー。
このメンバーでのゴルフや飲み会は最高に楽しいし、共通するところは皆んな揃ってギアマニアというところ。
自分もゴルフにハマってた頃に出会った4人。
初めはゴルフクラブの聖地と言われたミズノの養老工場でクラブの全てをオーダーしていた。
良いオトナが狂った…盛ったかの如く年に何セットも作る。
それに飽き足らなくなった昭和おじさんズは『地クラブ』というモノに手を出し始める。
禁断のトビラを開けてしまう。
何が違うのか?
地クラブは、日本のごく小規模なクラブメーカーの事で先ず各パーツ精度が非常に高い。
日本のお家芸、職人の成せる技。
それらを自分の好みや癖などに合わせて組み上げてくれる職人さんがいるのだ。
そんなショップも大変少ないのだが、我々は春日井の『リフレックス』というショップでお世話になっている。
お値段は一般的なクラブの約3倍。
サラリーマン。
必然的に昼飯は抜きか2〜300円という涙ぐましい努力の上に成立つ。
必要なモノは借金してでも…まではいかないがこういうのも昭和のオヤジ達ならではの行為ではないだろうか?
ミリ単位、グラム単位で腕利きの職人さんが組み上げた精密かつ高価なクラブを大雑把なオヤジが日替わりスイングで放つ球は、虹色の尾を引きながらOB杭の遥か外に消えていくロマン、哀愁、無駄。
スコアを金で買えていないオヤジ達。
昭和のオヤジ、世界文化遺産認定。
こういうオヤジ達に『無駄』というワードは『褒められている』という風にしか取られないので注意が必要だ。
重篤患者は『また無駄なもん買ってきて…』で最高の快感を覚えまた繰り返す『散財快感症候群』略して『散快症』
是非保険の適応をお願いしたい。